介護、保育士の賃金9千円賃上～処遇改善の方法は？～

一気に冬らしく冷たい空気に変わりましたね。

社会保険労務士の前野です。

さて、処遇改善のご相談を頂いていると、やはり事業所の皆様はニュースにアンテナを張っていらっしゃるなあと思います。なぜなら「職員に聴かれて・・・」ということが多く、つまりは職員の方々もネットでニュースを拾っているからです。特に賃金に関するニュースは本当に早いです。

介護、保育士の賃金9千円賃上げ　政府、経済対策に明記へ（Yahoo！ニュースより）

この記事によると、一定期間の賃上げ分を交付金として一括支給する方針、とありますが、職員さんにとっては嬉しい賃金アップですが、事業所の方にとって悩ましいのがその配分方法です。

このブログでも時々取り上げていますが、毎年賞与の時期や、昇給の時期に「キャリアパスに基づき」処遇改善加算分を分配する事業所さまが多いのですが、規模が大きくなるとそれだけ職員さんも多種多様となります。

一律的な支給方法や、経験年数だけで判断しての支給方法では、キャリアパスや実態の評価とずれが生じてきて、結局よくわからない根拠の手当が増えたりするなど、職員さんにとって不明瞭なまま、結果的に「金額の高さ」だけで他の事業所へ転職したりすることにもなってしまうからです。

交付金、というと、現行の「介護職員処遇改善加算」の前身である「処遇改善交付金」を思い出される方もいらっしゃるのではないかと思います。

また、交付金というからには職員の方々に一律支給される性質のものなのか、とも考えますが、詳細はおそらく来年の報酬制度が確定した頃に発表されるのではないかと考えています。

処遇改善交付金制度は、介護報酬とは別に交付金として事業所に支給されたのですが、この場合も、「一人あたり平均」の賃金改善額が15,000円（平成23年の場合）になるように分配してください、という制度でしたが、分配方法では様々な混乱が生じました。

昨年の「慰労金」については、職員の方々個人に支払われるという性質のもので、なおかつ金額も決まっていたため比較的スムーズだったのではないかと思います。

現在処遇改善、特定処遇改善を取得されている事業所さまでは、キャリアパスも構築され、ある程度の分配方法も予測されるかと思いますが、特定加算など、来年度から新たに申請しようとお考えの事業所の皆様は、来年以降のこの交付金制度など、新たな加算も視野に入れて運営方針を検討されてはいかがでしょうか。

処遇改善加算・キャリアパス制度構築については弊所へお問い合わせください。

余談ですが、先日、ＣＢＣラジオのリポートカーが三重県社会保険労務士会に来られ、社労士の日についてのＰＲを三重県社労士会の会長からお伝えさせていただきました。社労士ってどんな仕事をしているのか、どのような相談を聴いてもらえるのか、などを短い時間でしたが放送していただきました。ちょうど時間帯は仕事終わりの夕方の時間帯でしたが、忙しい日常野中、少しでも社労士のことを知っていただければと思いました。

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