今から使える？雇用調整助成金、休業支援金

News & Topics

2021年08月23日

お盆明けてから長雨が続きますね。朝夕など、少しひんやりして夏がもう終わってしまったかのようなさみしさを覚えます。

社会保険労務士の前野です。

オリンピックも終わり、パラリンピックが始まろうとしていますが、感染拡大が止まりません。

ここ三重でもマンボウ（まん延防止重点措置）の対象となり、飲食店ではお酒の提供ができないほか、時短営業要請など、特に飲食店にとっては大打撃の状態です。

さて、今日はお問い合わせの多い助成金について書いてみたいと思います。

助成金を活用したいけど、手続きが難しそう、制度がころころ変わるので、情報を追いかけられない、など、多くの事業主の方がお悩みを抱えています。

一方で、巷の広告では「助成金活用で○○○万円！」などのうたい文句で助成金活用を積極的に勧める事業者も見かけたりします。

助成金の活用については以前も弊所のブログで取り上げていますが、実際、簡単ではなく、やっと申請しても助成金が入金されるまで何ヶ月も、場合によっては１年以上待つこともあります。

今回取り上げた雇用調整助成金についても、他の助成金に比べるとずいぶん簡単に申請ができるようになっていますが、それでも、「雇用調整助成金支給申請マニュアル」を読むと、いろいろと面倒な必要な手続きがあります。

現在は押印も不要となり、申請もオンラインで行うことが可能ですが、オンラインということは、パソコンとネット環境が必要となり、また、シフト表などの添付書類をPDFに・・・など、環境が整っていない事業所の方にとってはその点もハードルが高い状態となっています。

弊所でもお客様の雇用調整助成金の申請を代行させていただきますが、気をつけるポイントがいくつかありますので、参考にしていただければと思います。（※現在弊所では、雇用調整助成金を含む、助成金のみの申請代行は行っていません。）

１．シフト表、出勤簿、賃金台帳がそろっていること。

２．従業員の労働条件がきちんと確認できること（雇用契約書など）

３．休業した日がきちんと確認できること。

１．については、シフト表のかわりにLINEでの画面スクショ等や、カレンダーに出勤日を書き込んでいるものでも構いません。また、賃金台帳については、各従業員の方のお給料明細の控えでもかまいません。

２．ここが少し難しいと言われるところなのですが、時給や月給の金額、交通費の有無、働く時間（アルバイトの方などは、４～６時間などの記載でもOKです）が確認できるものが必要となります。

３．タイムカードや出勤簿などに、「コロナ休み」などの記載でもOKです。

さて、そうしたポイントをクリアしていよいよ申請！ですが、審査が通らないこともあります。例えば、雇用調整助成金は、原則休業させた「日」に対する補償ですので、仮に、３０分単位で休業させた場合などは、その部分は対象とならないこともあるからです。他にも売上の要件など、様々な要件があるため注意が必要です。

さて、そんな雇用調整助成金ですが、最近のニュースでは不正受給も発覚しています。

従業員ではない人を働いたように見せかけて申請、実際は働いていたのに休ませたように見せかけて申請するのも不正となります。

ただ、実際には、休ませていて売上げも入ってこないのにお給料を支払う、という状況は、事業主の方にとっては経済的にも精神的にも負担となることが多いと感じています。

また、休んでいる間に他の仕事先を探す従業員もいて、いざお店を再開しても従業員が戻ってこない・・・ということもあると思います。

そのような場合は、雇用調整助成金と同様の制度で「緊急雇用安定助成金」を活用して、アルバイト・パートの方にも補償制度を適用する方法があります。ただ、この場合もシフト表や出勤簿などきちんと書類を提出しなくてはならないため、負担は発生します。

また、なかなか事業主の方には負担があるため難しい場合は、アルバイト・パートの方が個人で申請する「休業支援金」という制度があります。本来であれば事業主の方が申請するとよいのですが、なかなか難しい場合は、このような制度を活用して頂くことも可能です。

特に飲食店の皆様にとっては大変厳しい状況が続きますが、少しでも制度を活用して、コロナ禍を乗り切っていけたらと切に願います。

雇用調整助成金（休業編）支給申請マニュアル

休業支援金

まずは、お電話・メールフォームよりお気軽にお問い合わせください。